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2017年8月21日 (月)

陶絵付制作のこころ29 〈続・素材を把握する〉

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002 こんにちは。講座グループの江川です。
ここの所涼しい日が多く、過ごしやすいのはいいのですが、
このまま夏が終わってしまうのかと思うと、暑いのが非常に苦手な私もさすがに不安です。
昨夜仕事帰り、駅から家までの夜道で公園や学校など草木の多い所を通る際、
きれいな虫の声が心地よかったのはいいのですが、この間までは夜でも蝉の声が満載だったはず。もう完全に秋の気配です。
この日照時間では野菜がきっと高くなってしまうのではないかと不安です。
なんとかあまり農作物に大きな影響が出ないことを祈ります。


さて、前回のブログでお話したことの続きになるようなお話なのですが、
そもそも陶絵付とは「陶磁器」という素材に絵付することを言いますね。
「陶磁器」とは〈「陶器」や「磁器」など〉と広くその辺りの器全般を指す言葉なのですが、
一般に陶絵付と呼んでいる趣味の世界では磁器に絵付をするのがほとんどです。
この磁器に絵付をするというのが非常に大きなポイントで、
そのためには磁器という素材の特性をよく把握して、それを活かす絵の描き方をしなければいい作品にはなりません。

磁器の主な特性と言えば
①真っ白
②ツルツル
③吸水性がない
といった所でしょうか。

まず①ですが、白と言っても色々あります。
青白い白、クリームっぽい白、グレーっぽい白など。
もしアンティークな風合いの絵を描こうと思ったら少しグレーがかった器の方が絵の重さに合うでしょうし、
カジュアルな感じの絵を描く場合はきれいな青白さよりも少しオフホワイトな生地の方がしっくりきます。
色の他にも形状と絵の相性もあります。カチッとした形の器ならやはり絵もカチッとした雰囲気のものがいいでしょうし、そういう形状でなければそれに見合う感じの少しやわらかめのほどよい絵がいいでしょう。

②③について、これが陶絵付で絵を考えるとき一番難しい所です。
前回のゆるブログで、描くときには力が入ってなければないほどいい、というようなお話をしましてが、これが②③の理由によるものです。
力の抜け加減と合わせて大事なのが絵具の溶き具合です。つまり〈ツルツル=摩擦が少ない状態〉なので、筆が余計に滑らないようにするためには、ある程度の絵具の粘性が必要になります。
それと吸水性がないということで言えば、吸い込んでくれるのだったら、染み込ませてそこを濃くする、ということが出来ますが、それが出来なければ、厚みで作っていかなければなりません。
そのために絵具にほど良い粘性を与えられるよう絵具を溶くメディウムを選択します。
広い面積で大きく筆を動かし伸ばして描きたい時は伸びのいい状態の絵具にしたいですし、
狭い面積や、ワンファイヤーで仕上げたいときなどは、一度で絵具の厚みがつけられるように、ある程度の粘性を持った絵具の方が濃さが出せます。

話がいくらでも長くなってしまうので今回はこの辺まで・・
よい作品をつくるには、まず〈器の選択〉〈絵具の溶き具合の調整〉という準備作業が必要です。
絵具や筆の選択など、まだ気にかけないといけないことが色々ありますが、また少しずつお話をしていきたいと思います。

写真は10月からの私の担当専科「線画クラブ」と「イングレーズの青い花」の作品の一部です。
「線画」はペンで描き着彩する〈絵を描く楽しさ〉を、「イングレーズ」は洋絵付の手法をメインに、藍一色の主に使える器を作れる楽しさを、それぞれ味わっていただきたいクラスです。
絵付経験のない方からでもお入りいただけますので、是非ご参加お待ちしております。
現在本科・専科とも10月からの課題が教室のカウンター前に並んでおります。
HP内でも画像が見られますが、
http://www.togasha.com/togashanews/news20170819.html
もし原宿にいらっしゃれる機会があれば、是非3Fのカウンターまでお越しいただいて実物をご覧になってください。
入学などのご相談も随時承りますのでお気軽にスタッフにお声掛けください。よろしくお願い致します。

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