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2017年6月19日 (月)

陶絵付制作のこころ27〈素材を把握する〉

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こんにちは。講座グループの江川です。

さて突然ですが、私の右手にはペンだこが2つあります。 1つは薬指に。もう1つは中指に。 なぜでしょう?

実は ・薬指が通常のペンだこ・中指が陶絵付の筆だこ なのでした。

子供のころから字を書く時は、薬指の第一関節のすぐ横に鉛筆などが当たるように、強めに握って書いています。

不細工なのは分かっていますが、ここじゃないと落ち着きません。中指ではふわふわしてしまって安定した字が書けません。(←薬指ならしっかりした字が書けるのか?という突っ込みが入りそうですが・・)

しかし陶絵付を始めてみて、意識しないうちに、自然に中指の第一関節で筆を支えるようになりました。

なぜでしょう?

それは陶絵付の筆づかいというのが、基本的に、とにかく「力が入らなければ入らないほどいい」からです。

薬指だと力が入ってしまいます。そこで中指のふわふわが生かされることになりました。

これは都合がいい。ふわふわして力が入らないじゃないか!

・・というふうに意識したことは全くないのですが、とにかくどこかのタイミングでこっちの方がいいと体が自然に判断したようです。

筆を使う作業はすべて「力の入らなさ」という所では似たような所があるのかもしれませんが、

あいにく私は陶絵付以外に筆を使う作業を小中学校の書道や図画工作の時間以外ほとんどしたことがないので、この経験が初めてなのです。

なので陶絵付についてしかお話できませんが、とにかく力が入ると、まず絵具がのりません。

白磁は表面が硬くつるつるで吸水性がありません。

上絵付では筆に力が入ると、絵具は「ここにのせたい」と思うポイントの横にあふれてきてしまいます。肝心の「ここ」は絵具が抜け抜けです。

特に「濃くしたい」と思えば思う時ほど、つい力が入ってしまいがちですが、そうなると余計に絵具がつかなくなります。悪循環です。

例えばもうちょっと器の表面がざらざらだったり、吸水性があるとやりようがあるのですが、

どちらもありません。ですので筆で濃くのせたいと思うと、イメージとしては、『スコップ(=筆)で絵具をすくって器の表面にそっとのせてそれをまたそっと広げている』というのが私の感覚です。

そうなると私としては絶対に中指です。薬指ではだめです。

絵付以外でも全ての作業において共通して言えることですが、まず作業をする前に素材の特性というものがあるので、そこを把握して適切なツールや方法を選択しなければ何事もうまくいきません。闇雲にやってもうまくいかないのは当然です。

才能がない、絵心がない、とあきらめる前に、冷静にその素材と方法を見つめ直してみましょう。ちょっとしたことですごく差が出てきます。

このような経緯で、まだそんなに長い絵付歴ではありませんが、私の右手には2つのペンだこがあります。

それだけ筆で中指に慣れたなら普段の字も中指で書けそうなものですが、やなりあいにく字を書く時は薬指でないと落ち着きません。

不細工な鉛筆の持ち方は多分一生変えられないようです・・。

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