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2016年11月13日 (日)

動物を描く⑨ ~完成(最終回)~

こんにちは。原宿陶画舎講師の勝俣です。
およそ一年半にわたってブログで書いてきた『動物を描く』は今回で最終回です。
これまでのまとめとして作品制作における大きな流れを改めてお話しようと思います。

① 題材を探す

② 描きたいものとアイデアが何となく見えてきたら器選び(①とほぼ平行して考える)

③ 描きたいものを取材して資料を集める(下絵の準備)

④ 器に対しての大きさや構図を考えて下絵を写す。第一焼成でどこまで描くのか、どのような技法(方法)で絵具を乗せるのか考えて作業し易いように下絵の写し方を考える

⑤ 【第一焼成】写した下絵の形を修正しながら丁寧に描く。淡くて良いので(自分で確認できる濃さで)、焼成後にまた同じ場所に下絵を写す必要がないようにする。

⑥ 【第二焼成】陰影を意識して第一焼成で描いた形を崩さないように気をつけながら描く。『光と影』を意識する

⑦ 【第三焼成】色合いの変化と質感を描く

⑧ 【第四焼成~】「⑤~⑦」を繰り返しながら足りない部分を描いていく

⑨ 完成イメージに近づいてきたら作品をこまめに観察・確認して主役が主役として成り立っているか、客観的な目で見る

⑩ 微調整を繰り返し、完成の判断をする(描き潰さないようにする)

上記の「⑩」の内容がとても難しいのですが、作品作りをしていく以上は毎回これをしなくてはなりません。「これで完成!」がどこなのかは誰にも分かりません。最初に思い描いた自分自身のイメージが頼りです。どんどん加筆してしまって、前の状態の方が良かった(描き潰してしまった)ということにならないようにしたいものです。

私は毎回このような流れで作品制作をしています。動物だけではなく、植物や人物、風景、模様や装飾を主体とした作品、イラスト的な作品など何を描くときにもこの流れを意識しています。そして、作品を一つ作る度に反省と発見を繰り返して、作品制作の流れが洗練され少しずつ上達していると信じながら筆を持っています。 それでは、ネコの作品の完成をご覧下さい。

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前回いろいろ試した結果、このように仕上げました。背景と縁金で3回焼成しています。(全て合わせると9回焼成)試したことも決して無駄にはなりません。今後の作品制作に使えるものがあるかもしれないので、写真に撮って保管しておきます。

最後に、(第一回目にもお話ししましたが)これは私のやり方であって誰にでも合うプロセスではないと思いますが、このブログをご覧頂いた方にとって一つでも参考になることがあり、作品制作の一助になれば幸いです。

コメント

 動物を描くシリーズこういう風に作品が出来上がっていくのかと毎回楽しみにしておりました。最終回を迎え少し残念な気持ちです。

先日、展示会で「亀の上にうさぎとリスが乗った長方形のお皿を購入致しました。とても気に入って玄関に飾っています。
 
 この作品は何回焼成されたのでしょうか?

先日は、作品をお買い上げ頂きありがとうございました。玄関に飾って頂けているのはすごく嬉しいです。励みになります。この作品は3回焼成で仕上げました。

ブログの作品は背景と金彩まで含めて9回焼成していますが、ブログの文章のボリュームや、少しでも分かりやすく伝えられたらということを意識しながら描き進めていましたので、そういった制限が無ければもう少し焼成回数を少なく出来たと思います。

ただ、ブログの中にも書いていますが、私は焼成回数については全く気にしていません。完成するまで、納得できるまで焼成を繰り返しています。

こういったことも含めて、これまで紹介してきたことの中で使えそうなことを試してみて、『上手くいけば利用する』『上手くいかなければ真似しない』というように、良いとこ取りをして自分に描き方(やり方)にして頂けたらと思います。

焼成回数の限界は、最大6回(5回までは平均800℃、6回目は760℃)と学んで参りました。9回も焼成されていらっしゃるとは、どのような材質(および、どのメーカーまたはブランド)のものに、毎回何度の温度で焼成されていらっしゃるのでございましょうか?

沼澤様コメントありがとうございます。ご質問の件ですが、絵付をする器に関しては実際のところ焼成してみないと分かりません。同じメーカーの器でも絵付が出来る器と絵付には向いていない器があったりします。また、2回3回と焼成をしていると、突然黒い斑点のような物が浮き出てきたりする器もあります。器にも個性があり、見た目では判別できないので実験や経験を繰り返して一つ一つの器の性質を覚えていくしかありません。なので、メーカーやブランドでは判断するのは難しいと思います。経験のうえで、この器は大丈夫という物であれば、焼成回数を制限せず完成するまで焼成しています。十数回焼成することもあります。

焼成温度については、絵具の適正温度内で焼成するようにした方が良いと思います。陶画舎の上絵具の場合は760~820℃(種類によっては850まで)の範囲で焼成します。このように温度の幅があるのは、絵具にも一色一色個性があり、820℃にした方が良い物や760℃にした方が鮮やかさが出るものがあったりするためです。ただ、一度に何色も使用すると全ての色の性質に合わせた温度で焼成出来ないので、間を取って800℃で焼成したり、そのときに一番優先させたい色に合わせた温度で焼成したりしています。最後は必ず温度を下げるということはしていません。820℃が望ましい色を最後に使っていれば820℃で焼成します。

これらのことも今現在の私の経験や知識の範囲内でのお話しなので、これが絶対とかこれが一番ということはありません。人によってこだわりやその方の経験からくる方法論がありますので、私自身、色々な情報を自分なりに実験、経験を繰り返しながら少しずつ絵付のスタイルを進歩させるよう心掛けています。

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